この記事は、トレンドの原動力を探るマーケティングセミナー「よげんの書」で発表した「よげん」をトピックごとに解説した記事です。よげんの書のウェブサイトから無料セミナーのお申込みや、講演資料やアーカイブ動画をご覧いただけますので、ご関心ありましたらお申込みください。
出生数の減少と「体外受精」による誕生の増加
2022年度のデータによれば、日本で体外受精によって生まれた子供の数は約7.7万人に達しました。年間の総出勝数が約70万人台であることを考えると、実に「10人に1人」が、高度な生殖医療の力を借りて生まれてきていることになります。
この数字のインパクトは、かつては特別な選択だった医療技術が、今や日本の少子化を支える不可欠な社会インフラになっていることを示しています。仕事やキャリア、個人の生活設計に合わせた「産みたい時に産み、育てたい時に育てる」という願いの現れともいえます。
医療技術の向上が広げる「人生の選択肢」
80年代以降に生まれた女性は、それ以前の世代と比較して、40歳までの出生率が高まっています。これは、タイミング法、人工授精、そして体外受精や顕微授精といった医療技術の進化と普及が、女性の人生の自由度を高めた結果でもあります。
人生100年時代、結婚や出産のタイミングは以前よりも多様化しています。医療テクノロジーの進歩によって、従来の年齢という枠組みにとらわれず、自分らしい人生のフェーズを選択できるようになったことは、大きな社会的変化です。
「バイアス」を乗り越え、コストではない価値を見つめる
一方で、社会には「子供を持つことはコストである」という冷めた見方も存在します。しかし、これは人材投資を怠り「人はコストである」と考え続けてきた「失われた30年」のバイアスが家庭にまで入り込んだ結果ではないでしょうか。
子供をコスパ(コストパフォーマンス)で語る思考そのものを見直す時期に来ています。テクノロジーによって選択肢が増えた今こそ、私たちは数字上の損得ではなく、人生において「本当に大切にしたい価値」は何なのかを再確認する必要があります。

