この記事は、トレンドの原動力を探るマーケティングセミナー「よげんの書」で発表した「よげん」をトピックごとに解説した記事です。よげんの書のウェブサイトから無料セミナーのお申込みや、講演資料やアーカイブ動画をご覧いただけますので、ご関心ありましたらお申込みください。
20代〜30代男性の出世意欲の急落を統計が示す
現代の日本の若年層において、出世意欲の低下が極めて顕著になっています。特に20代〜30代男性の「出世したい」と考える割合は数年で激減しており、社会人1〜2年目の若者の約5割が「出世したいとは思わない」と回答しています。
女性に至っては、管理職への意欲がさらに低迷しており、組織の上位を目指すという昭和型の成功モデルは完全に崩壊しつつあります。かつての日本社会において、「役職に就き、高い給料を得る」ことは最大のモチベーションでしたが、もはやそれは若い世代に響く物語ではなくなっています。
終身雇用の終焉と「会社への忠誠心」の喪失
なぜ出世を望まないのでしょうか。その背景には、終身雇用が事実上終わりを迎え、一つの会社に尽くしても将来が保証されないという現実的な感覚があります。会社の中での地位を上げるよりも、自らのスキルを高め、プロジェクト単位で活躍できる力をつけることの方が重要だと、彼らは本能的に察知しています。
これからの組織運営においては、「昭和型の働き方フレームワーク」を突破した、新たなモチベーションの提示が不可欠です。肩書きや権威ではなく、どのような社会貢献ができるか、どのようなスキルアップが可能かという「意味」や「体験」の提供が、人材を惹きつける鍵となります。
AI人事評価が拓く「公平で最適」なキャリアパス
この価値観の変化に対応する手段の一つとして、「AIを活用した人事評価」が注目されています。人間による主観的な評価や「不公平感」への不満を解消するため、AIが個人のスキルや貢献度を客観的なデータで評価し、最適なポジションや配置をリコマンドする仕組みです。
「出世したい・したくない」という個人の意欲に依存するのではなく、その人の能力が最も発揮される場所へ、AIによって公正に配置される環境。主観を廃した公平な評価システムが整えば、若者たちは権力争いから解放され、自らの専門性や貢献に集中できるようになります。個人の力を最大限に引き出すための「新しいメンバーシップの形」が今、求められています。

