アフリカ移民が世界を回す社会がやってくる|よげんの書:25年6月号より

この記事は、トレンドの原動力を探るマーケティングセミナー「よげんの書」で発表した「よげん」をトピックごとに解説した記事です。よげんの書のウェブサイトから無料セミナーのお申込みや、講演資料やアーカイブ動画をご覧いただけますので、ご関心ありましたらお申込みください。


2010年代までは、中国が急成長し、中間層や富裕層が英語圏へ移住して大規模な移民コミュニティを形成していました(華僑ネットワーク)。しかし、中国の人口減少が始まり、移民増加の勢いは鈍化しています。

これに代わって世界的な労働力を支える存在として注目されているのがアフリカです。2024年時点で、アフリカ大陸外に暮らすアフリカ出身者は2000万人に達し、1990年の3倍に増加しました。この数は、インドや中国の出身移民数よりも多い状況です。

先進国では労働年齢人口が減少し、深刻な労働力不足に直面しています。過去の労働力輸出国であったメキシコやフィリピンでも高齢化が進み、移住者が減少傾向にある中で、アフリカは2050年までに労働年齢人口が約7億人増加すると見込まれる、最後の「人口ボーナス」を享受する地域です。

しかし、アフリカ経済圏だけでは、この拡大する労働力を受け入れるのに必要な雇用(必要数の約5分の1)を創出できていません。そのため、今後もアフリカ出身者は世界への移住を続けると予想されます。

この移民の流れは、受け入れ国だけでなくアフリカにも恩恵をもたらします。移民先で稼いだ資金が本国へ送金されて経済が活性化したり、海外で教育や技術を学んだ人材が帰国することで「頭脳獲得」につながったりするためです。アフリカ系移民の流れは21世紀において重要な力であり、各国はこの流れを無視すれば損失を招くことになると指摘されています。


「よげんの書」は企業や個人が不確実な時代を生き抜くための道標を提供し、仕事や生活のマーケティングに投影していただけることを目的・目標として主催者の個人プロジェクトとして運営しています。

まずはぜひセミナーをご覧ください。そして「セミナーの共同開催」や、よげんの書をもとにした研修「ミライノミカタワークショップの開催」など、マーケティング活動をご一緒させていただく機会を検討いただける場合はお気軽にお問い合わせください。Driving Forceをともに掴み、未来を一緒に創っていくことができれば幸いです。

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この記事を書いた人

舟久保 竜のアバター 舟久保 竜 よげんの書|主催者

総合マーケティング会社で23年間、NBメーカーの商品開発・販促企画のアイディア創出のための調査に関わるとともに、2020年から師匠の「大久保惠司 氏」とともに企業のマーケター向けに毎月トレンドを発表するセミナーを継続開催する。2025年、大久保氏の逝去後に「よげんの書」をライフワークとして継続することを決意。

本業は2024年1月から株式会社フィードフォースに所属。企業のコマースサイトを顧客体験基盤やCDPとして活用するためのソリューションのマーケティングに携わる。企業と生活者がモノではなくサービスでつながるための、SDL(サービス・ドミナント・ロジック)の実現を目指す。