この記事は、トレンドの原動力を探るマーケティングセミナー「よげんの書」で発表した「よげん」をトピックごとに解説した記事です。よげんの書のウェブサイトから無料セミナーのお申込みや、講演資料やアーカイブ動画をご覧いただけますので、ご関心ありましたらお申込みください。
Z世代を中心に、仮想空間(メタバース)での体験が、リアルな商品購入に結びつく新しい消費行動が広がっています。具体的には、アバターに服を試着させ、その体験を基に実物の商品を購入するという動きです。
これは、従来のウェブサイトで写真を見て購入する通販から、アバターとはいえ「着て、動いて、体験してから買う」時代への進化を示しています。若者は、アバターの外見やファッションに共感し、それを現実で再現しようとします。
ロブロックス(Roblox)のユーザー調査では、84%の回答者が自身のアバターのスタイルに少なくとも多少は影響を受けていると回答しており、54%が「非常に、あるいは極めて」影響を受けているとしています。
ロブロックスは、実物の商品とアバター用のデジタルアイテムをセットで販売できる「Roblox Commerce API」をリリースし、消費体験を拡張しました。人気ゲームでは、数週間で数十万ドルの売上を上げるクリエイターも出現しており、これは従来のゲーム内課金ではなく、リアルと連動した「新型D2Cモデル」として注目されています。
また、ユーザーの84%が仮想試着後に現実の商品を買いたくなると回答しており、バーチャルがECの強力な導線になっています。ロブロックスはShopifyと提携し、物理的な商品を購入するとアバターのアイテムも受け取れる仕組みを構築しており、アバターと共に服を買う体験が、単なる遊びからマーケティング戦略の要へと進化しています。

