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2050年、世界人口の6割がキリスト教・イスラム教に
情報化が進む現代において宗教は衰退していくと思われがちですが、世界全体では逆の傾向が見えています。2050年に向けて、世界のイスラム教徒は主要宗教の中で最速の約73%という伸びを見せると予測されています。その結果、キリスト教徒(31%)とイスラム教徒(30%)を合わせると、世界人口の約6割をこの2つの宗教が占めるという構図が鮮明になります。
無宗教者が相対的に減少する逆説
一方で、欧米、中国、日本などで増えている「無宗教者」は、絶対数は増えても世界人口に占める割合は16%から13%へと縮小していく見込みです。これは主に出生率と年齢構成の違いによるもので、若年層が厚く人口爆発が続くアフリカや中東、南アジアといった地域では、宗教が生活の根幹として勢力を広げ続けています。
不安な時代の「心理的基盤」としての役割
なぜ、科学や情報が発達した時代に宗教が求められるのでしょうか。宗教には共同体を提供し、困った時の支えとなり、人生のルールを共有するという大きな役割があるからです。特に、経済格差、政治的不安、災害、戦争といった先が見えない「不確実な時代」ほど、人は何かにすがりたい、自分の居場所が欲しいという欲求を強めます。
情報の海で「何を信じて生きるか」の受け皿
情報が氾濫する社会だからこそ、自分は何を信じて生きるのか、どこに精神的な拠り所を置くのかという問いが切実になっています。宗教やスピリチュアルな存在感は、情報化社会の「副作用」としての孤独や不安を和らげる受け皿として、静かに、しかし確実に高まっています。グローバルな視点に立つとき、私たちの直感とは逆に、世界はより「宗教的な心理基盤」を強める方向へ向かっています。

