この記事は、トレンドの原動力を探るマーケティングセミナー「よげんの書」で発表した「よげん」をトピックごとに解説した記事です。よげんの書のウェブサイトから無料セミナーのお申込みや、講演資料やアーカイブ動画をご覧いただけますので、ご関心ありましたらお申込みください。
年齢の壁が崩れる「消齢化」現象
現代の日本社会では、年代による価値観や嗜好の違いが年々小さくなる「消齢化」現象が起きています。人口減少と少子高齢化が進み、数年後には50歳以上が過半数を占める「世代レス社会」へ突入します。かつてのように「20代」「F1層」といった年代別の「ヨコ型」マーケティングを行うだけでは、ボリュームの小さい市場しか捉えられず、現代の生活者の意識とも乖離してしまうリスクがあります。
ノスタルジーを活用した世代横断のアプローチ
マクドナルドのCMでは、80年代のアニメシーンを活用して50〜60代の郷愁を誘いつつ、家族での来店を促す戦略が成功しています。これは、特定の世代に刺さるコンテンツを入り口にしながらも、結果として全世代を巻き込む「タテ型」の消費を狙ったものです。ユニクロやファミリーマートのヒット商品(コッペパンなど)も同様に、年齢を問わない「ライフウェア」や「全世代向け」のコンセプトが支持されています。
長期的なID戦略で一生涯の課題に寄り添う
ライオンが展開する「LION ID」は、世代を超えたメンバーシップ構築の好例です。小学生向けのオーラルケア教育サービス「おくち育」と、中高年向けの口腔ケアサービス「ORAL FIT」を共通IDで繋いでいます。これは、20年、30年という長いスパンでお客様の人生の課題に寄り添い続けるという、世代レス社会に対応した長期的な関係設計の現れです。個人の価値を家族や友人のつながりまで広げて捉える「FTV(ファミリー&フレンドLTV)」の視点も、今後ますます重要になります。

