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過去最大の人口減少とその衝撃
2024年10月1日時点の人口推計によれば、日本人の人口は約1億2000万人となり、前年から約90万人(89万8000人)減少しました。この減少幅は過去最大であり、出生児数が死亡者数を下回る「自然減」は18年連続で続いています。外国人を含む総人口で見ても14年連続の減少となっており、日本の人口減少がいよいよ加速フェーズに入ったことが浮き彫りになっています。人口減少は単なる数字の問題ではなく、社会のあらゆるシステムを根底から揺さぶる事態です。
深刻な介護人材不足と「ビジネスケアラー」の問題
人口減少の影響が最も顕著に現れているのが介護現場です。2024年度には全国で272万人の介護職員が必要とされていますが、既に57万人が不足する見込みとなっています。特に東京都の不足率は全国平均を上回り、約7.6万人が足りない状況です。この人材不足は「ビジネスケアラー(働きながら介護を行う人)」の増加を招き、2030年にはその経済損失が9.1兆円に達するという深刻な予測も出されています。仕事と介護の両立が困難になり、離職者が増えることで、企業の生産性も大きく損なわれるリスクがあります。
生産年齢人口の減少を社会全体でどう支えるか
経済活動の主役である「生産年齢人口(15〜64歳)」も激減しています。1995年のピーク時には8700万人を超えていましたが、2024年には7300万人台にまで減少しました。日本の生産年齢人口の割合はG7(主要先進7カ国)の中で最低となっており、2070年には4535万人まで減ると予測されています。もはや「誰かが何とかしてくれる」段階は過ぎており、女性や高齢者、外国人の受け入れを促進すると同時に、テクノロジーを駆使した抜本的な労働生産性の向上が急務となっています。

