自分のアバターと同じ服を着る人が増える|よげんの書:25年6月号より

この記事は、トレンドの原動力を探るマーケティングセミナー「よげんの書」で発表した「よげん」をトピックごとに解説した記事です。よげんの書のウェブサイトから無料セミナーのお申込みや、講演資料やアーカイブ動画をご覧いただけますので、ご関心ありましたらお申込みください。


Z世代を中心に、仮想空間(メタバース)での体験が、リアルな商品購入に結びつく新しい消費行動が広がっています。具体的には、アバターに服を試着させ、その体験を基に実物の商品を購入するという動きです。

これは、従来のウェブサイトで写真を見て購入する通販から、アバターとはいえ「着て、動いて、体験してから買う」時代への進化を示しています。若者は、アバターの外見やファッションに共感し、それを現実で再現しようとします。

ロブロックス(Roblox)のユーザー調査では、84%の回答者が自身のアバターのスタイルに少なくとも多少は影響を受けていると回答しており、54%が「非常に、あるいは極めて」影響を受けているとしています。

ロブロックスは、実物の商品とアバター用のデジタルアイテムをセットで販売できる「Roblox Commerce API」をリリースし、消費体験を拡張しました。人気ゲームでは、数週間で数十万ドルの売上を上げるクリエイターも出現しており、これは従来のゲーム内課金ではなく、リアルと連動した「新型D2Cモデル」として注目されています。

また、ユーザーの84%が仮想試着後に現実の商品を買いたくなると回答しており、バーチャルがECの強力な導線になっています。ロブロックスはShopifyと提携し、物理的な商品を購入するとアバターのアイテムも受け取れる仕組みを構築しており、アバターと共に服を買う体験が、単なる遊びからマーケティング戦略の要へと進化しています。


「よげんの書」は企業や個人が不確実な時代を生き抜くための道標を提供し、仕事や生活のマーケティングに投影していただけることを目的・目標として主催者の個人プロジェクトとして運営しています。

まずはぜひセミナーをご覧ください。そして「セミナーの共同開催」や、よげんの書をもとにした研修「ミライノミカタワークショップの開催」など、マーケティング活動をご一緒させていただく機会を検討いただける場合はお気軽にお問い合わせください。Driving Forceをともに掴み、未来を一緒に創っていくことができれば幸いです。

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この記事を書いた人

舟久保 竜のアバター 舟久保 竜 よげんの書|主催者

総合マーケティング会社で23年間、NBメーカーの商品開発・販促企画のアイディア創出のための調査に関わるとともに、2020年から師匠の「大久保惠司 氏」とともに企業のマーケター向けに毎月トレンドを発表するセミナーを継続開催する。2025年、大久保氏の逝去後に「よげんの書」をライフワークとして継続することを決意。

本業は2024年1月から株式会社フィードフォースに所属。企業のコマースサイトを顧客体験基盤やCDPとして活用するためのソリューションのマーケティングに携わる。企業と生活者がモノではなくサービスでつながるための、SDL(サービス・ドミナント・ロジック)の実現を目指す。