この記事は、トレンドの原動力を探るマーケティングセミナー「よげんの書」で発表した「よげん」をトピックごとに解説した記事です。よげんの書のウェブサイトから無料セミナーのお申込みや、講演資料やアーカイブ動画をご覧いただけますので、ご関心ありましたらお申込みください。
アクションカメラとロボット掃除機の市場で先駆者の交代が起きている
かつて市場を牽引した先駆的メーカーが、中国企業の急速な開発力とシェア獲得によって苦境に立たされています。
アクションカメラ市場を開拓したGoProは、売上高の低迷と赤字の継続から身売りの検討に入りました。一方で、ドローン技術を応用したDJIや、多機能カメラで支持を集めるInsta360といった中国企業が世界シェアの約8割を占める状況となっています。また、ロボット掃除機市場でも同様の交代が起き続けており、先駆者であるiRobotのシェアが急落する中、ロボロックをはじめとする中国勢が市場の主要シェアを占めるようになっています。
ハードウェア単体の改良に頼る企業がソフトウェアを中心とした開発速度に追いつけない
中国企業の競争力の背景には、単なる低価格化にとどまらず、手ブレ補正などの高度なソフトウェア制御や、自動洗浄・乾燥といった機能拡張を極めて短いサイクルで製品化する開発速度があります。
先駆者が従来型のハードウェアの改良に専念している間に、ソフトウェアを中心とした総合的な使用体験の向上を図る後発企業が市場を再定義しました。この変化は、技術優位性の維持における「速度」の重要性を示しています。
日本発のペロブスカイト太陽電池が特許スコアで中国に逆転されつつある
同様の構造は、日本発の技術であるペロブスカイト太陽電池の分野でも見られます。
日本が先行して開発を行ってきた技術領域ですが、2023年には中国が特許の累計件数で首位となり、特許の質的指標(特許スコア)においても中国大手のCATLが日本企業を上回るデータが示されています。かつての太陽光パネルと同様の軌道をたどるリスクが懸念されており、基礎技術の優位性を製品化と市場普及へどう結びつけるかが問われています。

