この記事は、トレンドの原動力を探るマーケティングセミナー「よげんの書」で発表した「よげん」をトピックごとに解説した記事です。よげんの書のウェブサイトから無料セミナーのお申込みや、講演資料やアーカイブ動画をご覧いただけますので、ご関心ありましたらお申込みください。
米国で崩れる「大卒=安定」の神話
米国ではAIの影響が若年層の雇用に色濃く反映されています。2025年7月時点で、16〜24歳の若年層失業率が10%を超える異常事態となっており、これは全体の失業率(4%台)と大きく乖離しています。AIや自動化によって、新卒レベルのホワイトカラー職が担ってきた事務作業や定型的な分析が代替され、大卒であっても雇用が不安定化するという逆転現象が起きています。
会計士から配管工へ:ブルーカラーへの大逆転
この雇用環境の変化を受け、米国の若者たちは「AIに代替されにくい」建設、電気整備、配管、ヘルスケアといったブルーカラー職へと舵を切り始めています。職業訓練校への入学者は前年比12%増と、大学の伸びを上回る勢いです。実際に、会計士から配管工へ転身し、月給が会計士時代の3倍になったという事例も報告されており、「ブルーカラー富豪」という言葉さえ生まれるほど、価値観の大きな変化が起きています。
日本の就活生も4割が志望職種を変更
日本の学生もこの変化に極めて敏感です。調査によれば、就活生の約4割がAIの影響を考慮して志望業界や職種を変更したと回答しています。6割以上の学生が「AIで雇用が減る」と予測しており、特にカスタマーサポートや事務職といった代替されやすい職種を避け、ITエンジニアなど「AIを使う側」の職種を志向する動きが強まっています。
AIの実体験がキャリアの選択基準を変える
AIを日常的に利用している学生ほど、雇用減少への警戒感が強いというデータもあります。AIの利便性を肌で感じているからこそ、自分の将来が代替されるリスクを現実のものとして捉えているのです。企業側もAI代替を理由に新卒採用を抑制する動きを見せており、大学側もAI教育の拡充を急ぐなど、日本の就職環境と人材育成モデルは今、大きな転換点を迎えています。

