インバウンド消費がデジタル赤字を打ち消す規模になっていたことがわかる|よげんの書:25年5月号より

この記事は、トレンドの原動力を探るマーケティングセミナー「よげんの書」で発表した「よげん」をトピックごとに解説した記事です。よげんの書のウェブサイトから無料セミナーのお申込みや、講演資料やアーカイブ動画をご覧いただけますので、ご関心ありましたらお申込みください。


過去最多を更新する訪日客数と消費の動向

2025年第1四半期の訪日外国人客数は1053万7300人に達し、四半期ベースで過去最多を記録しました。国別では韓国、中国、台湾の順に多く、特に中国からの観光客は前年同期比で8割増加しています。消費額も2兆2720億円と極めて高い水準を維持していますが、その中身には変化も見られます。宿泊費や交通費が減少傾向にあり、トランプ政権の関税政策や中国の景気停滞といった外部要因が今後の消費意欲を左右する可能性も懸念されています。

「デジタル赤字」を打ち消すインバウンドの底力

日本の大きな経済課題の一つに、クラウドサービスや動画配信などの利用による「デジタル赤字」があります。2024年度のデジタル赤字は約6.9兆円に達しましたが、同年度の旅行収支(インバウンド消費から日本人の海外旅行消費を引いたもの)の黒字額が約6.6兆円となり、この赤字をほぼ打ち消す規模にまで成長しました。旅行収支の黒字が特許使用料の黒字を初めて上回ったことは、観光が日本の外貨獲得の柱になったことを象徴しています。

観光立国への道:モノ消費から体験型ツーリズムへ

人口減少により国内市場が縮小する中、インバウンドは日本というコミュニティに一時的に参加して消費を促す重要な存在です。今後は単に「安い日本」を売るのではなく、付加価値の高い体験を提供する「体験型ツーリズム」へのシフトが重要になります。日本の古い観光資源を再定義し、分散して多様な体験を作ることで、リピーターを増やし、コミュニティのファンになってもらうことが観光立国としての持続的な成長に繋がります。


「よげんの書」は企業や個人が不確実な時代を生き抜くための道標を提供し、仕事や生活のマーケティングに投影していただけることを目的・目標として主催者の個人プロジェクトとして運営しています。

まずはぜひセミナーをご覧ください。そして「セミナーの共同開催」や、よげんの書をもとにした研修「ミライノミカタワークショップの開催」など、マーケティング活動をご一緒させていただく機会を検討いただける場合はお気軽にお問い合わせください。Driving Forceをともに掴み、未来を一緒に創っていくことができれば幸いです。

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この記事を書いた人

舟久保 竜のアバター 舟久保 竜 よげんの書|主催者

総合マーケティング会社で23年間、NBメーカーの商品開発・販促企画のアイディア創出のための調査に関わるとともに、2020年から師匠の「大久保惠司 氏」とともに企業のマーケター向けに毎月トレンドを発表するセミナーを継続開催する。2025年、大久保氏の逝去後に「よげんの書」をライフワークとして継続することを決意。

本業は2024年1月から株式会社フィードフォースに所属。企業のコマースサイトを顧客体験基盤やCDPとして活用するためのソリューションのマーケティングに携わる。企業と生活者がモノではなくサービスでつながるための、SDL(サービス・ドミナント・ロジック)の実現を目指す。