この記事は、トレンドの原動力を探るマーケティングセミナー「よげんの書」で発表した「よげん」をトピックごとに解説した記事です。よげんの書のウェブサイトから無料セミナーのお申込みや、講演資料やアーカイブ動画をご覧いただけますので、ご関心ありましたらお申込みください。
日本のインバウンド市場は好調を維持しており、2025年5月の訪日客数は369万3300人と、前年同月比21.5%増加し、過去最多を記録しました。特に韓国と中国からの訪問者が多く、中国からの客数は前年比44.8%増となっています。現在、訪日客数は年間4000万人を上回るペースで推移しています。
このインバウンド需要と富裕層の消費を背景に、銀座の路面店の空室率が2025年1〜3月期に初めてゼロを記録しました。これは過去最高水準の坪あたり賃料(28万2000円)を伴う、空き物件の争奪戦を引き起こしています。
銀座への出店は、高級時計、宝飾品といったハイブランドに加え、眼鏡やスポーツ用品など多様化しています。低単価の業種でも、ブランド認知や訴求を目的として銀座への出店が増加しています。
ハイブランド企業が出店を積極化する背景には、日本市場の好調があります。ティファニーなどを傘下に持つLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)の日本における売上は、2024年に前年比28%増と、米国(2%増)や日本を除くアジア(11%減)を大きく上回る好調ぶりを示しています。この勢いを受け、他国で新規出店を減らしているブランドでも、日本での出店意欲が高い状況です。

