インフレがロイヤリティプログラムの活用を加速させる|別冊よげんの書:25年8月号より

この記事は、トレンドの原動力を探るマーケティングセミナー「よげんの書」で発表した「よげん」をトピックごとに解説した記事です。よげんの書のウェブサイトから無料セミナーのお申込みや、講演資料やアーカイブ動画をご覧いただけますので、ご関心ありましたらお申込みください。


経済不安が加速させるポイント活用への意向

インフレが長期化する英国では、生活者の意識が大きく変化しています。調査によると、英国人の55%が前年よりもロイヤリティプログラムへの参加意向を高めており、特にZ世代(71%)やミレニアル世代(72%)でその傾向が顕著です。インフレ率が日本と同水準の3%程度で定着する中、ポイント制度は付加価値としてだけではなく、節約と生活の安心を支える「セーフティネット」としての役割を担うようになっています。

計画的な貯蓄と「贅沢品」への戦略的投資

英国の美容・健康小売「Boots」の事例では、会員の74%が半年以上ポイントを貯め、40%がクリスマスの時期にまとめて消費するという、極めて計画的な行動が見られます。貯まったポイントは日用品だけでなく、ディオールなどの高級コスメを手に入れるためにも活用されており、インフレ下での「生活の工夫」として定着しています。このように、生活者はプラットフォームやストアごとに「日用品を買うためのポイント」と「贅沢品を狙うためのポイント」を賢く使い分けているのです。

日本市場における「割安感」と「体験」の提供

日本でもイケアが2025年6月からアジア初となるポイント制を開始しました。物価高が続く中で「割安感」をアピールすることが狙いですが、今後は単なる値引きだけでなく、そこでしか得られない「体験」を特典に含めることが重要になります。英国のデータでは、体験型の特典がリピート率を80%以上高めるという結果も出ています。インフレ局面においては、企業が生活者の家計を支える姿勢を見せつつ、感情的なつながりを深める設計が求められます。


「よげんの書」は企業や個人が不確実な時代を生き抜くための道標を提供し、仕事や生活のマーケティングに投影していただけることを目的・目標として主催者の個人プロジェクトとして運営しています。

まずはぜひセミナーをご覧ください。そして「セミナーの共同開催」や、よげんの書をもとにした研修「ミライノミカタワークショップの開催」など、マーケティング活動をご一緒させていただく機会を検討いただける場合はお気軽にお問い合わせください。Driving Forceをともに掴み、未来を一緒に創っていくことができれば幸いです。

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この記事を書いた人

舟久保 竜のアバター 舟久保 竜 よげんの書|主催者

総合マーケティング会社で23年間、NBメーカーの商品開発・販促企画のアイディア創出のための調査に関わるとともに、2020年から師匠の「大久保惠司 氏」とともに企業のマーケター向けに毎月トレンドを発表するセミナーを継続開催する。2025年、大久保氏の逝去後に「よげんの書」をライフワークとして継続することを決意。

本業は2024年1月から株式会社フィードフォースに所属。企業のコマースサイトを顧客体験基盤やCDPとして活用するためのソリューションのマーケティングに携わる。企業と生活者がモノではなくサービスでつながるための、SDL(サービス・ドミナント・ロジック)の実現を目指す。