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世界一信頼される国、日本:ASEANや世界からの眼差し
驚くべきことに、世界各国の評価において、日本は極めて高い「信頼感」を獲得しています。ASEAN諸国から見た「信頼できる国」の評価では、日本が約6割で首位を走り、アメリカ(4割)や中国(2.5割)を大きく引き離しています。
中東、中央アジア、アフリカ、インド、中南米といった地域でも、日本の地下鉄建設支援などの実績が評価され、圧倒的な支持を集めています。さらに、ASEANの人々が「最も訪れたい国」としても、日本は33%で断トツの1位を記録しており、文化的な魅力や治安、インフラの質は世界から羨望の的となっています。
経済・政治的な影響力の「低さ」というパラドックス
しかし、この高い信頼感が「影響力」に繋がっていないのが日本の実情です。「経済的に最も影響力がある国」を聞くと、中国が約6割を占めるのに対し、日本はわずか3.7%。「政治・戦略的に影響力がある国」としても、日本は3.2%に留まります。
世界の人々は「日本は素晴らしい国だが、力(パワー)はない」と感じているのです。特にASEANの人々は、中国が積極的に地域に関与し、関税問題などで影響力を行使している現実を目の当たりにしています。日本はアメリカ一辺倒の外交に終始しているように見られており、最も成長が見込まれるエリアである東南アジアに対して、主体的な経済戦略を打ち出せていないという課題があります。
信頼という「資産」を戦略的に活用せよ
これからの日本が取り組むべきは、この「莫大な信頼資産」をどうやって具体的な経済的・政治的インパクトに変換するかという点です。例えば、東南アジア諸国との間で関税なしの自由な貿易圏をさらに深化させ、日本が提供する高品質な商品やサービスがスムーズに行き渡る世界を構築すること。
「信頼」は短期間で買えるものではありません。日本が長年積み上げてきたこの優位性を自覚し、戦略的に影響力を拡大させるための責任ある行動が今、国にも企業にも求められています。世界一愛され、信頼される国としての力を、次世代の成長のドライバーに変えていきましょう。

