AIロボットの競争が過熱する|よげんの書:25年冬号より

この記事は、トレンドの原動力を探るマーケティングセミナー「よげんの書」で発表した「よげん」をトピックごとに解説した記事です。よげんの書のウェブサイトから無料セミナーのお申込みや、講演資料やアーカイブ動画をご覧いただけますので、ご関心ありましたらお申込みください。


生成AIの次、「動くAI」への莫大な投資

AIの進化は、画面の中の言葉や画像から、現実世界で物理的に活動する「フィジカルAI」へとステージを移しています。ソフトバンクグループがスイスのロボット事業を買収し、テスラのイーロン・マスク氏が「ロボットが会社の価値の大半を生む」と公言するなど、巨額の資金と人材がロボット分野へ流れ込んでいます。2040年には世界のロボット市場が約60兆円規模に達するという予測もあり、巨大産業としての期待が高まっています。

中国の全天候型と日本の「aibo」の進化

開発競争では各国が異なるアプローチを見せています。中国では、防水・防塵性能を備え、豪雨や極端な気温といった過酷な環境でも稼働できる「全天候型」のヒト型ロボットが登場し、屋外警備や工場での活用が進んでいます。一方、日本ではソニーの「aibo」が注目されており、3次元認識能力を高めることで家具の配置を把握し、洗濯物を運ぶといった「家事を手伝うロボット」へと進化し始めています。

勝敗を分けるのは「動作データ」の蓄積

フィジカルAIにおいて最も重要な資源は、ロボットが実際に動くことで蓄積される「動作データ」です。歩き方、物の持ち方、人との距離感など、現場で蓄積される膨大なデータをいかに早く、多く獲得できるかが、今後の競争力を決定づけます。日本は製造業における良質なデータを大量に保有していますが、その活用においては出遅れており、データ獲得競争への迅速な対応が急務となっています。

日本流「ロボットとの共生」の可能性

日本には「ドラえもん」や「鉄腕アトム」といった、ロボットを家族やパートナーとして受け入れる独自の文化背景があります。この親和性は、生活空間に溶け込むヒト型ロボットを普及させる上で大きな強みとなります。テスラのような機能性重視のモデルとは異なり、人々の生活に馴染み、感情的なつながりを持つ「日本流のロボット共生社会」が、世界の先を行くモデルになる可能性があります。


「よげんの書」は企業や個人が不確実な時代を生き抜くための道標を提供し、仕事や生活のマーケティングに投影していただけることを目的・目標として主催者の個人プロジェクトとして運営しています。

まずはぜひセミナーをご覧ください。そして「セミナーの共同開催」や、よげんの書をもとにした研修「ミライノミカタワークショップの開催」など、マーケティング活動をご一緒させていただく機会を検討いただける場合はお気軽にお問い合わせください。Driving Forceをともに掴み、未来を一緒に創っていくことができれば幸いです。

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この記事を書いた人

舟久保 竜のアバター 舟久保 竜 よげんの書|主催者

総合マーケティング会社で23年間、NBメーカーの商品開発・販促企画のアイディア創出のための調査に関わるとともに、2020年から師匠の「大久保惠司 氏」とともに企業のマーケター向けに毎月トレンドを発表するセミナーを継続開催する。2025年、大久保氏の逝去後に「よげんの書」をライフワークとして継続することを決意。

本業は2024年1月から株式会社フィードフォースに所属。企業のコマースサイトを顧客体験基盤やCDPとして活用するためのソリューションのマーケティングに携わる。企業と生活者がモノではなくサービスでつながるための、SDL(サービス・ドミナント・ロジック)の実現を目指す。