マルチワークでライフシフトを進める人が増える|よげんの書:25年8月号より

この記事は、トレンドの原動力を探るマーケティングセミナー「よげんの書」で発表した「よげん」をトピックごとに解説した記事です。よげんの書のウェブサイトから無料セミナーのお申込みや、講演資料やアーカイブ動画をご覧いただけますので、ご関心ありましたらお申込みください。


100年時代をどう生き抜くかという「ライフシフト」の概念が現実のものとなる中で、複数の仕事を組み合わせる「マルチワーク」が、持続可能な生き方・働き方として注目されています。

ライフシフトの概念とマルチワークの関連性

リンダ・グラットン氏が提唱する「LIFE SHIFT」では、人生がマルチステージ化し、変化が当たり前になるため、生涯を通じて生き方と働き方を修正していくことが重要であるとされています。 この考え方と連動し、日本では、国主導で特定の地域においてマルチワークの推進が始まっています。

地域課題を解決するマルチワーク支援

2020年に創設された特定地域づくり組合は、移住者を無期雇用し、季節や曜日によって複数の仕事を組み合わせて派遣しています。これは、一つの仕事だけでは通年の雇用が難しい産業や、保育・介護といった人手不足の深刻な産業の担い手確保につながっています。現在、全国123組合が653人の雇用を生み出しています。

具体的な事例として

  • 島根県津和野町: 酒米作り、酒蔵での仕込み、林業といった季節労働になりがちな産業を組み合わせる「半農半X」が広がり、トリプルワークが実現しています。

  • 島根県浜田市: 音楽人材を学童勤務と演奏会で両立させています。

アスリートのデュアルキャリア

マルチワークの考え方は、プロフェッショナルな分野にも広がっています。現役アスリートが体力や知名度を活かして農業に参入するデュアルキャリアです。例えば、千葉の3×3バスケットボールチーム「esDGz OTAKI.EXE」は、競技と稲作を両立させ、収穫した米を「籠米(かごまい)」として販売し、持続可能なスポーツへの取り組みを実現しています。

ライフシフトを見据えたマルチワークは、好きなことを長く続ける、あるいは新しい分野に広げるための持続可能な働き方につながる可能性を秘めています。


よげんの書は、主催者の舟久保の個人プロジェクトとして定期的に無料セミナーを開催しています。視聴者の方からの個別のお仕事のご依頼と、ドネーションで運営しています。応援いただける方は以下よりドネーションをお願いします。ささやかなお礼として、(サイトから無料で資料請求いただけますが)セミナーの講演資料とアーカイブ動画をご覧いただけるページをご案内いたします m(_ _)m

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この記事を書いた人

舟久保 竜のアバター 舟久保 竜 よげんの書|主催者

総合マーケティング会社で23年間、NBメーカーの商品開発・販促企画のアイディア創出のための調査に関わるとともに、2020年から師匠の「大久保惠司 氏」とともに企業のマーケター向けに毎月トレンドを発表するセミナーを継続開催する。2025年、大久保氏の逝去後に「よげんの書」をライフワークとして継続することを決意。

本業は2024年1月から株式会社フィードフォースに所属。企業のコマースサイトを顧客体験基盤やCDPとして活用するためのソリューションのマーケティングに携わる。企業と生活者がモノではなくサービスでつながるための、SDL(サービス・ドミナント・ロジック)の実現を目指す。