この記事は、トレンドの原動力を探るマーケティングセミナー「よげんの書」で発表した「よげん」をトピックごとに解説した記事です。よげんの書のウェブサイトから無料セミナーのお申込みや、講演資料やアーカイブ動画をご覧いただけますので、ご関心ありましたらお申込みください。
自治体がアプリ費用を補助する「本気の婚活」
マッチングアプリは若者の出会いのためだけのツールではなく、自治体の人口政策を支えるインフラへと進化しています。出生数が維持されている自治体の多くは婚活支援を重視しており、群馬県片品村のように、アプリの利用料を最大10万円以上補助する事例も現れています。出会いだけでなく、その先の結婚、出産、育児までを一体的に支援することで、地方の存続をかけた対策として機能しています。
孤独を癒す「シニア向け」と「医師監修」マッチング
活用範囲は若者だけにとどまりません。50歳以上限定のマッチングサービスや、医師が「孤独は健康を蝕む」という危機感から開発に関わったアプリなど、高齢者の孤立を防ぐ試みが広がっています。恋愛だけでなく、一緒に食事をする友人や趣味の仲間を見つける場として機能しており、1人暮らしが増える中でのメンタルケアとビジネスが連動し始めています。
福利厚生としてのマッチングアプリ導入
驚くべきことに、三菱UFJ銀行やりそな銀行といった保守的とされる金融機関も、社員向けにマッチングアプリを福利厚生として無料提供し始めました。転勤が多いという業界事情もあり、安心・安全な社外との出会いを会社が公認・支援しているのです。データによれば、私生活の充実が仕事への意欲向上や離職率の低下に寄与することが示されており、企業にとっても重要な人材定着策となっています。
社会課題を解く「マッチング」の再定義
これらの事例は、マッチングが「若者の出会い」という枠を超え、少子化、高齢者の孤独、企業の人的投資といった社会全体の課題を解決する手段になっていることを示しています。人、場所、機会を最適に結びつけるという「マッチング」の価値を広義に捉え直すことで、これまでにない新しい市場や、社会的な意義を持つビジネスモデルが生まれる可能性を秘めています。

